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街を歩いていると、思わず目で追ってしまう服装に出会うことがある。高価な新作で全身を揃えているわけでも、流行のアイテムをそのまま取り入れているわけでもない。それなのに、古いジャケットにデニムを合わせたり、少し派手な柄のスカートを何気なく着ていたりする人のほうが印象に残る。最近のファッションで面白いと感じるのは、こうした新旧の服を自由に組み合わせるスタイルだ。ドルチェ&ガッバーナの2027年春夏ウィメンズコレクションも、まさにそんな着こなしを思わせる内容だった。シチリアの古い邸宅に残された祖母のジャケットやレース、家族に受け継がれてきたジュエリーなどをヒントに、懐かしい服を現代の感覚で着崩している。きれいに整えすぎないところが、今回のコレクションの好きな部分だ。

古いジャケットにデニム、この組み合わせがちょうどいい

個人的に日常へ取り入れやすいと思ったのは、クラシカルなツイードジャケットの着こなし。ツイードというと、どうしても上品なスカートやきれいめなパンツを合わせたくなるけれど、それだけでは少し優等生すぎる。あえて色落ちしたデニムを合わせるくらいが今の気分に合っている。インナーは白いTシャツでもいいし、少し首の詰まった黒のカットソーでもいい。ジャケットのボタンを留めず、袖を軽くまくって着ると、かしこまった雰囲気が和らぐ。足元もパンプスに限定せず、ローテクスニーカーやレザーのフラットシューズを選びたい。昔ながらのジャケットをそのまま再現するのではなく、今持っている服と混ぜることが大切だと思う。

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レオパードを着るなら、少し大胆なくらいが面白い

今回のショーで何度も登場したレオパード柄も気になる。コートやジャケットだけでなく、ドレスやニットなど、さまざまなアイテムに取り入れられていた。街着として考えるなら、まずはスカートやバッグなど、小さな面積から始めてもいい。ただ、せっかく柄を取り入れるなら、あまり無難にまとめすぎないほうが楽しめる。例えば、レオパードのスカートに淡いピンクのニットを合わせる。野性的な柄と柔らかな色の組み合わせは、一見難しそうだけれど、実際にはお互いの印象を引き立ててくれる。全体を黒で固めるよりも、少し意外性のある色を一つ入れるほうが、着こなしに個性が出る。もちろん、柄の主張が強い日はアクセサリーを控えめにして、服の組み合わせを楽しみたい。

甘いレースはデニムで普段着に変える

レースのブラウスやスカートは好きだけれど、着る場面が限られてしまうという人もいるはず。そんなときは、きれいめなアイテムとして扱うのをやめてみる。レースのトップスに色落ちしたデニムを合わせたり、繊細なスカートの上に少し大きめのジャケットを羽織ったりすると、普段の外出にも取り入れやすくなる。ドルチェ&ガッバーナの今回の提案でも、ランジェリーを思わせる服とテーラードジャケットなど、異なる雰囲気のアイテムが同じスタイリングに登場している。こうした組み合わせは、きちんとした服とカジュアルな服を別々に考えないところが面白い。レースを甘く着るのに飽きたら、まずはデニムと合わせるところから試してみたい。

大きな花柄のドレスはブーツで雰囲気を変える

ロマンティックなティアードドレスや立体的な花の装飾がある服は、それだけでかなり存在感がある。こういうアイテムに華奢なサンダルや小さなバッグを合わせれば、王道のフェミニンスタイルになるけれど、少し違う方向へ持っていくなら足元を変えてみるのがおすすめ。例えば、黒のショートブーツや少し無骨なレザーブーツ。ドレスの柔らかな雰囲気に対して、足元に重さが加わることで甘さがほどよく抑えられる。春夏なら、ドレスの上に薄手のデニムジャケットを羽織るのもいい。花柄の色をすべて小物で拾おうとする必要はない。むしろ、靴やバッグはシンプルな色にして、ドレスの柄をそのまま楽しむほうが自然に見える。

クロシェの立体感はシンプルな服と合わせたい

今回のコレクションでは、立体的なフラワーモチーフをあしらったクロシェスカートも印象的だった。手仕事を感じさせる編み地は、一般的なプリントスカートにはない表情がある。こうした素材を着るときに気をつけたいのは、上半身まで装飾的にしすぎないこと。コンパクトなTシャツや無地のタンクトップを合わせるだけでも十分に雰囲気が出る。少し肌寒い日なら、薄手のカーディガンを重ねてもいい。クロシェは編み目の大きさや糸の質感によって印象が変わるので、購入するときは見た目だけでなく、引っ掛かりやすさや重さも確認したい。繊細な装飾があるものほど、普段の動きやすさまで考えて選びたいところだ。

シチリアの装飾をそのまま着るのではなく、少し引き算する

ダマスク織やブロケード、家具の張り地を思わせる生地まで服に取り入れる発想も興味深い。こうした素材は表面に凹凸があったり、織り柄に奥行きがあったりするため、シンプルな服と比べて存在感が強い。街着として取り入れるなら、ジャケットだけを装飾的な素材にして、ボトムスは無地のデニムやストレートパンツにするくらいがちょうどいい。エトロのように柄や色彩の組み合わせを楽しむブランドもあるけれど、今回のドルチェ&ガッバーナは、家具や家族の記憶に結びついた素材を服に変えている点が面白い。素材そのものに物語があるからこそ、着こなしでは少し余白を残したい。華やかな服を着る日に限って、バッグや靴まで頑張りすぎないほうがかえっておしゃれに見えることがある。

アクセサリーは古いものと今のものを混ぜてみる

服装だけでなく、ジュエリーの使い方にも今回のコレクションらしさが表れている。大ぶりのイヤリングや装飾的なネックレス、カメオやブローチを思わせるアイテムは、シチリアの家族に伝わる宝物のような雰囲気を持っている。普段のコーディネートに取り入れるなら、全部をヴィンテージ風に揃える必要はない。シンプルなシャツに少し存在感のあるイヤリングを合わせたり、デニムスタイルにクラシカルなブローチを一つ付けたりするだけでも十分。アクセサリーを重ねる場合も、首元と手元の両方を華やかにするより、どこか一か所に視線を集めたほうがまとまりやすい。昔から持っているアクセサリーを今の服に合わせてみるのも、今回のテーマにぴったりな楽しみ方だと思う。

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今っぽく着るならパーカーを一枚挟むのもあり

ヴィンテージ感のある服ばかりでまとめると、どうしても昔の時代のスタイルを再現したように見えてしまう。そこで便利なのが、パーカーやスウェットのような日常的なアイテムだ。例えば、レーススカートに無地のフーディーを合わせたり、ツイードジャケットの中に薄手のパーカーを重ねたりする。少し意外な組み合わせだけれど、こうしたカジュアルな要素が入ることで、装飾的な服にも親しみやすさが出る。​ドルガバ パーカーのようなアイテムをスタイリングに取り入れる場合も、ロゴやデザインだけでなく、ジャケットやレースとの重ね方を考えると着こなしの幅が広がる。個人的には、少しゆとりのあるパーカーに細身のスカートを合わせるバランスが好きだ。上下のシルエットに差がつくので、ラフでもだらしなく見えにくい。

買うなら、まず普段の服に混ぜられる一着から

今回のコレクションは、グラマラスなファーコートから繊細なレース、ツイード、クロシェまで、かなり幅広い素材とデザインが登場する。どれも目を引くけれど、実際に購入するなら手持ちの服との相性を考えたい。グッチの装飾的なスタイルやエトロの柄使いと比べても、ドルチェ&ガッバーナはシチリアの伝統を背景にした華やかさと、日常的なデニムやTシャツを混ぜる自由さが特徴的だと思う。素材面では、ツイードの織りの密度、レースの仕上げ、クロシェの編み目、装飾部分の縫い付けなどを確認したい。見た目が豪華でも、重すぎたり手入れが難しかったりすれば、自然と着る機会は減ってしまう。私なら、最初から大胆なレオパードのコートを選ぶより、デニムにも合わせられるジャケットやレーストップスから取り入れる。いつもの服装に一つだけ違う要素を足す。そのくらいの気軽さが、今回のコレクションを日常で楽しむ一番の近道かもしれない。