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秋の気配が少しずつ街を包み込み始める9月中旬、東京のストリートシーンはひとつの大きなニュースに沸き立っていました。ニューヨークのスケートカルチャーを背景に世界中を魅了し続ける「シュプリーム(Supreme)」と、日本の服好きたちから絶大な信頼を寄せられる重松一真氏の「ア プレッセ(A.PRESSE)」による初のカプセルコレクションが、9月12日に解禁されたのです。表参道や原宿のショップ前にできた列、そして服好きたちが噂する熱量。なぜこれほどまでにこのコラボレーションは人々を惹きつけてやまないのでしょうか。その理由は、両者が作り上げたプロダクトの「手触り」の中に隠されていました。

■ 職人の手仕事と、アメリカン・ヘリテージの融合
ア プレッセというブランドの真骨頂は、古着のミリタリーやワークウェアに対する異常なまでの深い造詣と、それを現代の技術で再現・昇華させる変態的なまでのファブリック開発にあります。今回の協業で最も度肝を抜かれたのが、手作業で染色が施されたというM-65フィールドジャケットとカーゴパンツの存在です。大量生産のインクジェットプリントでは決して出せない、職人の刷毛目が感じられるようなカモフラージュ柄。生地を擦り、洗いをかけることで生まれた絶妙なヴィンテージの風合いは、まるで何十年もアメリカの倉庫で眠っていたスペシャルピースを発掘したかのような錯覚さえ覚えます。
レザーアイテムの完成度にも目を見張るものがあります。カーフスキンとなめらかなカウハイドレザーを部位ごとに組み合わせたレザージャケットは、武骨なミリタリーのディテールを備えながらも、驚くほど柔らかく、肩の力がすっと抜けたようなリラックスしたドレープを描きます。デヴィッド・ジョン・アンダーソン社の繊細なコットンピンオックスフォードを用いたシャツや、コットンシルクを混紡したセットアップスーツなど、ストリートブランドの枠組みを完全に超越した贅沢な素材使いが光ります。
■ 他ブランドとの比較から浮かび上がる「静かなる異端」
現代のファッションシーンには数多くのコラボレーションがあふれていますが、このコレクションの立ち位置を整理してみましょう。
* サンローラン(SAINT LAURENT)のミリタリー: 極限まで細身にシェイプされた都会的なモード。スタイリッシュだが日常のタフな着用にはやや繊細。
* リアルマッコイズ(The Real McCoy's)の復刻: 忠実なヴィンテージ再現と武骨なヘビーウェイト。クラシックだが現代的な街着としての「抜け感」は控えめ。
* シュプリーム × ア プレッセ: ヴィンテージの重厚な質感と、両ブランドが共同開発した現代的なカスタムフィットの融合。日本・ポルトガル・米国で打ち分けられた圧倒的なクラフトマンシップ。

こうして比較すると、シュプリームとア プレッセの仕事がいかに「街で着るための最高の贅沢」であるかが分かります。二次流通やネットの世界では、話題性の高さからSUPREME スーパーコピーといった言葉が飛び交うこともありますが、このプロダクトが持つ本物の魅力——例えばフーディーの裏地に配されたコットンワッフルサーマルの優しい温もりや、スターリングシルバー製キーチェーンの重厚なカチリという音、カシミヤビーニーの吸い付くような肌触りは、実際に手にした者だけが得られる特権です。
■ 街へ連れ出すスタイリングの美学
このコレクションの服を着こなすなら、肩の力を抜いたミックススタイルがおすすめです。
1. カモ柄カーゴ × 上質ニット: 手作業のカモフラージュパンツに、シンプルなカシミヤのハイゲージニットをON。無骨な足元と上質なトップスのギャップが洗練された印象を与えます。
2. レザージャケット × ワイドスラックス: 重厚なカーフ×カウハイドのジャケットに、あえてドレープ感のあるきれいめなスラックスを合わせることで、90年代のニューヨークを思わせるシックな大人ストリートが完成。
3. アクセサリーの足し算: デニムやTシャツの腰元に20インチのスターリングシルバー製クラシックキーチェーンをジャラリと下げ、頭には無地のカシミヤビーニーを浅めにかぶる。
■ 結びにかえて
服を買うという行為は、単に布を纏うことではなく、その背景にあるストーリーや作り手の情熱を所有することでもあります。
シュプリームの持つストリートの反骨心と、ア プレッセが追求する日本の職人技。その二つが高次元で溶け合った今回のコレクションは、時代が変わっても色褪せることのない普遍的な価値を宿しています。袖を通すたびに馴染んでいく革のシワや、洗うたびに味わいが増すコットンの風合いを楽しみながら、長く大切に育てていきたい一生モノのプロダクトです。
